瀬戸内生まれ、瀬戸内育ち。
瀬戸内の太陽と海風で育った、荘内半島オリーブ農園産の商品を皆様に。

1000年を超えて生きる木、オリーブ。

そんなオリーブのように、ここ荘内半島積地区に長く取り組める事業を作りたい…

そんな想いは、時代を超えてより深化し、受け継がれています。

皆様に知ってほしい、農薬不使用への挑戦と当園のこだわり

■当園のオリーブオイルは農薬不使用で栽培しています。

オリーブには「オリーブ穴あきゾウムシ」という天敵がいますが、通常の慣行栽培では専用の農薬を使い、この虫を寄せ付けないような栽培を行っています。
当園では、この農薬散布を行わず、すべてハンドピック(手での採取)を行うことで対応しております。
オリーブ穴あきゾウムシは早朝の暗い時間に活動を開始し、日が昇るとともに活動を止めます。
つまり、ハンドピックを行うためには、この早朝時間帯での見回りが必要となります。
大変地味で手間のかかる作業ですが、農薬を使わずに栽培するためには絶対に必要な作業です。

また、他にも炭疽病(カビの一種)という病気があります。
これにかかるとオリーブの実はシワシワとなり、搾油のオイルの品質も下がります。
炭疽病に対応する農薬もあり、慣行栽培ではこの農薬を使うことが一般的です。
当社の場合は、この農薬を使わないため、木の剪定を行い、草(木の根元を覆う草)を刈りこみ、風通しを確保することで対応しております。
本来、雨の少ない中東で生まれたオリーブが、雨の多い日本で育つうえで避けられない病気でもあります。
当社では、できるだけ本来の気候環境下に近い状況を作ることによって、炭疽病を避ける対策をとっています。

■収穫、選別はすべて手作業で行っています。

当園では、オリーブの摘み取りはすべて手作業で行っています。
これは、海外の大規模農場のように対応した機械が日本にはないという事や、そもそも園地が斜面にあり、機械での収穫が出来ないといった環境面での制約もありますが、それ以上に人が手で採ることで、オリーブの実を傷つけず、またある程度きれいな実のみを選別して採ることができるというメリットを重視している側面があります。
もちろん、海外の大きな圃場では人が手で採取することが物理的に不可能という側面が大きい一方、当園のような小~中規模の農園は、こうして丁寧な収穫を行うことで、より顔の見える、気持ちの伝わる製品をお届けできるのではないかと考えています。
摘み取りと、その後の実の選別まで、すべて当園のスタッフが責任と愛情をもって、一貫して自社農園で行っています。

■オリーブ農家にとっては当たり前のこと。でも絶対に知ってほしいこと。

イベントなどでオリーブオイルを販売すると、時々とても重要な示唆をいただきます。
それは、「香川県で楽しみにしていたオリーブオイルを買おうとすると、スペイン原産と書かれていた」というお話です。
当社はもちろん、自社の農園で採れたオリーブの実のみを使いオイルを絞って販売していますが、県の内外含めて海外産のオイルを輸入して自社ラベルを貼って販売している会社が多くあることは、オリーブ農家にとっては周知の事実でもあります。
(これは商品裏の品質表示に記載されています。もちろん、違法でもなんでもありません)
規模の大きい会社になればなるほど、会社を維持するために売り上げを上げることは必要なことです。
また、もちろん海外のオイルは品質も高く、オリーブ農家をしていると、品質と価格のバランスという点において、国産物との圧倒的な価格差に絶望的な気持ちになることがあります。
ただ、多くの消費者の方にとって、香川県の農園が市場に出しているオリーブオイルは、やっぱり香川県のオリーブの実を香川県で絞ったものという認識があるため、裏切られたような気持になるのだと思います。
どちらが正解とか間違いという事はないテーゼだと思いますが、当社のような小規模がゆえにチャレンジャブルな取り組みがしやすい農園は、やはり農薬不使用、手摘み、自社農園産というキーワードにこだわって製品を作っていきたいと思います。
いつも「小さい農園なんですよ」と自虐気味にお話しするのですが、たぶん小さいがゆえに想いを込めた商品を作ることはできる。
そう信じて日々取り組んでいます。