海の見える丘の上からこんにちは。

香川県西部、三豊市の荘内半島という海に突き出したエリアの中腹の、更にそこから海に張り出した丘の上の農園。

そこに、荘内半島オリーブ農園はあります。

三方を海に囲まれたこの農園には、樹齢10年を超えるオリーブの木が700本植わっていて、季節によってさまざまな顔を見せます。

 

芽吹きの春には、オリーブの新芽たちがにょきにょきと芽吹き、木々を若葉色に染め上げます。

そんな新芽が風に揺れて、暖かい春の陽射しと少し薄曇りの空の下、緑色のさざ波をつくります。

ざわわと音がしそうな、穏やかな時間です。

 

暑い夏は木たちも太陽の力をその身に浴びて、実をつける力をじっとため込んでいます。

オリーブは乾燥と暑さに強い木ではありますが、ここ数年の雨量の少なさには、時々ひやりとさせられます。

ただ、木たちはまるで太陽に向かって手を伸ばすかのように凛として立っていて、生命の力強さを感じさせます。

この時期には、葉の色も濃緑に変わり、新芽たちもりっぱな大人の葉へと変貌を遂げています。

じりじりと足りつける太陽を跳ねて屹立するオリーブの林は実りの秋への期待を感じさせてくれます。

 

秋はオリーブ農園にとって一番忙しい時期です。

10月初旬から始まる収穫では、まず新漬け用の実を取り、その後オイル用の実を取ります。

私たちの農園では、地域の人たちや住み込みのアルバイトさんと摘み取りを行っています。

朝8時ごろから集まり、収穫は夕方まで行います。

いつもは静かな農園も、この時期は摘み取りの人でにぎわいます。

ざわざわとした園内の雰囲気も、オリーブ農園ならではのこの時期の風物詩です。

そうして、一年で一番忙しい時期は、風のように通り過ぎます。

 

収穫を終えたオリーブ農園は、ほっと一息つくのもつかの間、来年の収穫に向けての作業が始まります。

オリーブの枝の剪定です。

春夏と成長してきたオリーブの枝を、来年もまたいい実が付くようにと一本一本剪定していきます。

すっきりと刈り取られたオリーブの木と、冬の澄んだ空と海のコントラストは、多分全てのシーズンを通じて一番美しい景色を見せてくれます。

こうして、オリーブ農園の一年は終わりを告げます。

 

ここは、海を見下ろす丘にある、瀬戸内の小さな農園。

何気ない人の営みと、オリーブの木があるだけの、どこにでもある日常の風景。

でも、ここに木を植え、丁寧に育て、あなたの元に届けたいという、色々な人の想いが詰まった場所でもあります。

そんな農園の営みや想いに心を寄せてここでの時間を過ごしていただければ、それに勝る喜びはありません。

日常の、ほんの少し先にある非日常。

私たちの日々の営みが、皆様にとってより素敵な生活のお力添えになりますように。